「熱燗」とは、45〜60℃に温めて飲む伝統的な飲み方の一つで、日本酒は冷酒とは異なる香りや旨みを味わうことができます。
今回は、全国各地の日本酒を取り扱う居酒屋「旬菜鮮魚 味和久」が、熱燗の基本的な知識や楽しみ方を紹介します。熱燗の魅力を知れば、日本酒の楽しみ方がぐんと広がりますよ!
熱燗とは「45〜60℃に温めた日本酒」のこと
「熱燗」とは45〜60℃に温めた日本酒のこと。冷酒とは異なる「温かみ」「旨味」「口当たり」「香り」を味わうことができ、寒い季節や地域では特に好まれる飲み方です。ただし、熱すぎるとアルコールが揮発してしまい、風味や旨味が損なわれるため、適切な温度で楽しむのがポイントです。
また、熱燗は体の深いところまで温まり、ホットする時間が「ストレス解消」にも効果的と考えられています。日本酒は温めることで嗅覚へ作用が高まり、鼻から入った香り成分が、脳や肺に行き渡ることで緊張をほぐし、血行を促進します。
熱燗とぬる燗の違いは「温度」
ぬる燗 | 30℃ | 日向燗(ひなたかん) |
---|---|---|
35℃ | 人肌燗(ひとはだかん) | |
40℃ | ぬる燗 | |
熱燗 | 45℃ | 上燗(じょうかん) |
50℃ | あつ燗 | |
55〜60℃ | 飛びきり燗 |
前述で、熱燗は45〜60℃に温めた日本酒だと紹介しましたが、「ぬる燗」という言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
熱燗とぬる燗はともに、日本酒を温めて飲む「燗酒」に分類されますが、その2つは「温度帯」によって呼び分けられています。
熱燗は、先程も紹介したように45〜60℃に温めた日本酒全般を指しますが、ぬる燗は30〜40℃に温めた日本酒全般を指します。また、熱燗とぬる燗の中でも5℃ずつの温度の違いで呼び方が変わります。
ぬる燗
- 30℃「日向燗」…香りや味わいがほんのりと引き立つ味わい
- 35℃「人肌燗」…米のうまみや麹の香りが引き立つ味わい
- 40℃「ぬる燗」…香りが立ち、ふくらみを感じる味わい
ぬる燗は、温度がやや低めで、日本酒本来の「香り」や「味わい」を感じやすいという特徴があります。また、熱燗よりもアルコールの揮発が少なくアルコール感が控えめになるため、より軽やかな味わいが楽しめます。
熱燗
- 45℃「上燗」…引き締まった香りや味わい
- 50℃「熱燗」…香りがシャープで辛口。キレのある味わい
- 50〜60℃「飛びきり燗」…香りがシャープで辛口。よりキレのあるの味わい
熱燗は特に50℃前後の温度帯を指し、香りと味わいがシャープになるので、キレのある辛口がお好みの方におすすめです。55℃以上の熱々の飛び切り燗だと、さらにキレのある味わいを楽しむことができます。
このように、日本酒は同じ銘柄でも、飲む温度によって様々な味わいを楽しむことができるので、様々な温度帯を試し、自分好みの新しい味を発見してみてはいかがでしょうか。
熱燗の楽しみ方3つ
最後に、熱燗を楽しむ方法を3つご紹介します。
①熱燗に合う日本酒で楽しむ
熱燗を楽しむには、熱燗に合う日本酒を選んでみましょう。
- 濃醇な純米酒…香りが増し、芳醇な味わいが楽しめるようになります
- 本醸造酒…醸造アルコールの透明感のある味わいと、芳醇な米の香りを楽しめます
- 山廃・生酛…癖のある複雑な味わいもまとまり飲みやすくなります
一般的には、旨みや酸味が多く味のしっかりした日本酒が熱燗向きです。それぞれの日本酒には魅力が際立つ温度があるので、蔵元が推奨する温度を参考にしながら調節してみてください。
②熱燗に合う料理と楽しむ
主に米と水を原料として造られている日本酒は、様々なジャンルの料理に寄り添う万能酒です。その中でも、熱燗におすすめの料理をご紹介します。
- 温かい料理…肉じゃが、牛すじ煮込み
- 汁系の料理…鍋、おでん
- 個性が強い料理…インドカレー、アヒージョ など
熱燗には、「温かい料理」「汁系の料理」「個性が強い料理」などとの相性が良いです。日本酒の「温度」を軸に料理とペアリングする場合は、温かい料理には熱燗、冷たい料理には冷酒など温度帯を合わせたもの選ぶとマッチしやすいです。
③器を変えて楽しむ
味覚を感じる舌のどの部分を刺激するかによっても熱燗の味わいが変わります。自分好みの熱燗に合う器を見つけてみるのも楽しみ方の一つです。
- お猪口…形は円・楕円・四角・六角と形は様々。一口程度の容量のものを指します
- ぐい呑み…お猪口よりおおきめの器で、容量は50〜180mlと様々あります
- 升…四角形の器。グラスに日本酒をなみなみと注ぐ、もっきりスタイルでも楽しめます
- 盃…日常から神事などの儀式でも使われる伝統的な酒器。漆器や陶磁器などの素材があります
- ガラス…涼やかな見た目。日本酒の味をダイレクトに味わえる
- 陶器…厚みや丸みのある飲み口。やさしい味わいになる
- 磁器…薄めでつるりとした飲み口。やさしい味わいになる
- すず…華やかな見た目。日本酒の雑味を分解し、まろやかな味わいになる
- 木・漆…粋・重厚感のある印象。日本酒に檜や杉の香りをプラスした味わいになる
その中でも、日本酒初心者には「陶器製の器」がおすすめ。磁器よりも熱伝導性が低く、冷酒にも使える万能酒器となっています。
まとめ
- 熱燗とは、45〜60℃に温めて飲む日本の伝統的な飲み方の一つ
- ぬる燗は、30〜40℃に温めた日本酒のこと
- 熱燗は、「熱燗に合う日本酒」「熱燗に合う料理」「器を変える」などの方法でさらに楽しもう
「旬菜鮮魚 味和久」は、日本酒が大好きという方から、これから日本酒に挑戦してみたいという方も大歓迎です。料理と相性の良い日本酒選びのお手伝いさせていただきますので、ぜひ遠慮なく店内スタッフにお声がけ下さい。皆様のご来店を心よりお待ちしています。
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