塩麹に白・黒・緑のカビ？まだ救えるかも！塩麹作りのプロが対処法を解説

塩麹にカビっぽいものが出来ていてびっくりなあなた。

まだ、その塩麹を救えるかもしれません。

この記事では、塩麹にカビが生えたときの対処法をプロの経験から解説します。

私は北海道すすきのにある居酒屋「味和久（みわく）」で、自家製塩麹を使った料理を毎日作って研究している塩麹料理のプロです。

塩麹を愛してやまない私が、その塩麹を捨てる前に伝えたいことがありますので、ぜひ聞いていってください。

塩麹のカビの色が黒や緑はアウト！白や茶色はセーフかも

塩麹は麹菌の力で発酵して作られますが、これは要はカビの力です。なので、食べても問題ないカビではあるんですが、一方で害のあるカビもあります。

黒色や緑色のカビが生えていた場合は、悲しいですが諦めてください。処分しましょう。食べても食中毒になることは少ないようですが、そもそも気持ち悪いと思いますし、風味が損なわれて美味しくありません。

ですが、同じカビでも白色や、はたまた茶色のメイラード反応と呼ばれる状態であればまだ対処できる可能性が高いです。

このふたつをもう少し解説しますね。

白いカビの対処法

塩麹の表面に白いカビが浮かんでいる場合、清潔なスプーンなどでそこだけすくって捨てればまだ使える可能性があります。

実は白いカビの正体は、「産膜酵母菌」と言って体に害はないんですよ。空気を好む酵母菌の集合体で、塩麹を作る過程で繁殖し、表面に膜を作るんですよね。

対処する手順は、

ここで注意したいのが、白いカビは「産膜酵母菌」だから大丈夫！とは言い切れず、臭いを確認してみてください。雑菌臭などがする場合は、腐敗が進んでいる可能性が高いため、食べないほうが無難です。

産膜酵母菌をすくった上で、塩麹の匂いだけなのを確認し、念のため清潔な別の容器に移して保管すれば問題ありません。

茶色のメイラード反応の対処法

塩麹が茶色に変色した状態は問題ないです。これはメイラード反応といって、アミノ酸の作用により起こります。ご飯のおこげやお肉の焼き目などと変わらないものなので、問題なく食べれますよ。

ただし、ここでも腐ったような臭いがする場合は食べられません。メイラード反応が起こるのと同様にカビの発生も進んでいる可能性があるため、臭いをしっかり確認してください。

塩麹にカビが生える原因

では、塩麹になんでカビが生えるんでしょうか。

塩麹にカビが生える原因は、手作りして熟成中の段階と、完成したあとで少し異なります。

熟成中は、発酵を促すため温度は18〜22℃程度、湿度が40〜60%程度で保管するのが理想です。この時に、温度差を与えすぎるとカビが生えやすくなります。

例えば、夏場のエアコンや、冬場の暖房の入り切りで室温が変化する場合、そこに塩麹を置いてしまうとカビが生えやすくなってしまいます。

また、完成した塩麹は冷蔵庫保存が必須です。常温だと発酵が進み、また、温度差の観点からカビが発生しやすい状態です。

そして、塩麹に触れるものは清潔さを徹底しましょう。少しの雑菌でも繁殖してカビの原因になります。

塩麹にカビが生えないようにする対処法

大切な塩麹にカビを生えさせないためには、温度差が少ないことが重要です。例えば、納戸やキッチンの収納の中など、生活スペースの室温変化が行き届かない場所に保管するのがいいでしょう。

また、熟成中は1日に2〜3回程度攪拌する（混ぜる）ことで、塩麹が空気に触れて発酵が促進され、カビが発生しにくくなります。

まとめ

今回は塩麹にカビが生えた時の対処方法について解説しました。

白色や、茶色の場合は食べられる可能性が高いですが、臭いもしっかり確認して、雑菌臭がする場合は諦めて新しい塩麹を作りましょう。

そしてカビをそもそも生えないようにするために、熟成中は温度変化が少ない納戸やキッチン収納に保管。完成した塩麹は冷蔵庫で保管。さらに全ての作業で使用するものは清潔さを徹底してカビの原因を根絶。

今後はカビに悩まされず、美味しい塩麹料理を作ってくださいね！

味和久のHPでは、この他にも味和久（みわく）流の塩麹の作り方やお店同様の塩麹レシピを公開しているので、ぜひご覧ください！

また、北海道のすすきのに寄った際は、一度私の本気の塩麹料理を食べに来てください！