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塩麹を継ぎ足すメリットやデメリットを塩麹料理を扱う居酒屋店主が解説

2023.09.22

塩麹を継ぎ足すメリットやデメリットを塩麹料理を扱う居酒屋店主が解説

以前作った塩麹に、新しく作る塩麹を継ぎ足してもいいんだろうか。

塩麹を自宅で作る料理好きな方なら一度は考えたことがあるであろうこのテーマ。

今回は、塩麹を継ぎ足すメリットとデメリット、さらに継ぎ足すときの注意点ついて解説します。

結論をお伝えすると、基本的には継ぎ足さずに、毎回新しく新鮮な塩麹を作ることをおすすめします。ただ、家庭の献立によって塩麹の活用頻度は異なると思いますので、継ぎ足した方がいい場合も紹介します。

私は北海道すすきのにある居酒屋「味和久(みわく)」で、自家製塩麹を使った料理を毎日作って研究している塩麹料理のプロです。

より美味しい塩麹料理を作るためにも、塩麹の継ぎ足しについてしっかりお伝えしますので、ぜひご覧ください。

塩麹を継ぎ足すメリット

塩麹を継ぎ足すメリットは大きく2つです。

塩麹の熟成が進み早く完成する

一つ目のメリットは、新しく継ぎ足す塩麹の熟成が進み早く完成するという点です。

塩麹は一から作ると、夏場は4〜5日程度、冬場は1週間程度かかります。

そこに熟成した塩麹を継ぎ足すことで、数日程度完成を早めることが可能です。

冬場などで気温が低く、空気が乾燥している季節は、普段より発酵が早まるため効果的ですよ。

完成の目安は、塩麹の香りが無くなった時。継ぎ足してから新しい塩麹の発酵が進む過程では、甘く芳醇な香りがします。そこから発酵し切る(完成)と香りが消えます。あとは味見してみて、麹に芯がなくなれば完成です。

ちなみに塩麹の作り方については下記でも解説しているので、一からプロの作り方を見たいという方はぜひご覧ください。

塩麹の賞味期限が延びる

塩麹を継ぎ足すもう一つのメリットは、古い塩麹の賞味期限が延びる点です。

ただ、古い塩麹の量が、新しい塩麹の50%以上ある場合は、古い塩麹の期限で考えた方が安全です。

あくまで、残り少なくなった塩麹(全体の5〜10%)に、作った塩麹(全体の90〜95%)を継ぎ足すと、新しい塩麹として賞味期限が延長されます。少し残っている塩麹がある場合には、継ぎ足すことで無駄なくさらに熟成も加速させることができますよ。

塩麹を継ぎ足すデメリット

賞味期限が短くなる可能性

メリットでもお伝えした内容ですが、古い塩麹が全体の50%を超える継ぎ足しの仕方だと、古い塩麹の賞味期限を基準に考えた方が安全です。

雑菌混入のリスク

また、雑菌が入る可能性が高くなりがちです。

塩麹はタッパーなどに入れて料理の際に使うと思いますが、空気中にも少なからず雑菌がいますし、清潔に思われるスプーンなどにも雑菌がついている可能性があります。

長い期間活用していると、その分雑菌混入のリスクが高まり、知らずのうちに塩麹が腐敗してしまったというケースもありえます。

出来るだけ新鮮な塩麹を使うことが食べる人の安全にも繋がると思います。

塩麹を継ぎ足す時の注意点

メリットとデメリットを踏まえた上で、毎回継ぎ足すつもりではないけど、今回だけ継ぎ足して使いたいと思う方のために注意点です。

  • 古い塩麹:新しい塩麹 = 0.5:9.5の割合で古い塩麹が多くならないように
  • 新しい塩麹を継ぎ足すときは、一度材料をしっかり混ぜ合わせ、1時間ほど馴染ませてから古い塩麹を継ぎ足す
  • 清潔なタッパーなどに移す
塩麹を継ぎ足す時の注意点

よくあるこのくらいのタッパーで保存している場合、古い塩麹は大さじ3杯程度入れれば十分です。

古い塩麹が多すぎると、劣化が早まる可能性が高いので、注意してください。

できれば継ぎ足さずに作るのがおすすめ

いろいろお伝えしてきましたが、冒頭でお伝えしたとおり、できれば毎回新鮮な塩麹を使うことをおすすめします。あまり長い期間活用しないと、塩麹が発酵しすぎて(過発酵)しまい、酸味やアルコールの風味が強くなって味に影響がでてきます。

ほんの少量であればほとんど問題はないですが、もし中途半端に残りそうな場合は、塩麹の色々な使い方を試してみるのもおすすめです。

下記記事では、ポテトサラダに入れたり、ご飯を炊く時に使ってみたりといろいろな活用方法を紹介しています。

私も普段、この万能調味料を余すことなく使うために日々研究していますので、ぜひ見てみてください!

まとめ

今回は、塩麹を継ぎ足したときのメリットやデメリット、継ぎ足すときの注意点をお伝えしました。

熟成が早く進むメリットもありますが、新鮮な塩麹を使って美味しい料理を作ることが大切です。継ぎ足すことで全体のバランスが崩れ、味や風味が安定しにくくなったりします。自分好みの塩麹を安定して作るには、継ぎ足さずに新しく作ることがおすすめですね。

味和久のHPでは、この他にも味和久(みわく)流の塩麹の作り方やお店同様の塩麹レシピを公開しているので、ぜひご覧ください!

また、北海道のすすきのに寄った際は、一度私の本気の塩麹料理を食べに来てください!

インスタグラムでもいろんな料理をアップしていますので、ぜひフォローしてください♪

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