塩麹は加熱すると、なんと、酵素が失われます。
酵素とは、食べ物の消化や吸収を助けてくれたり、食材の栄養素をエネルギーに変える役割を担います。
では加熱するのはダメかというと、使い方次第で効果をしっかり得ることはできますよ。
今回は、塩麹を加熱して酵素が失われたらどんなデメリットがあるのか、また塩麹の栄養や効果をしっかり活用するにはどんな食べ方がおすすめなのかについて解説します。
私は北海道すすきのにある居酒屋「味和久(みわく)」で、自家製塩麹を使った料理を毎日作って研究している塩麹料理のプロです。
塩麹を愛してやまない私が、塩麹を加熱することに関して、知っていることを全て紹介するのでぜひ聞いていってください。
塩麹を加熱すると酵素が失われる
塩麹は60℃以上に加熱すると、酵素が失われてしまいます。
じゃあこの酵素が失われるとどうなるのかってことで、酵素の役割を考えてみます。
- プロテアーゼ
タンパク質をアミノ酸に分解。素材を柔らかく、また旨みを引き出す。 - アミラーゼ
でんぷん質を糖に分解。素材の自然な甘みを引き出す。 - リパーゼ
脂肪を良質な脂質に分解。脂質はエネルギーに変わる。
これらの酵素の働きによって、鶏肉だとタンパク質の分解で肉質が柔らかくなったり、でんぷんを糖に分解することによって減塩したり、化学調味料を控えても美味しく食べられたりといったメリットがたくさんあります。
これだけ見ると良いことばっかりで、じゃあ加熱したらダメなのかというと、料理人としてはタイミングが重要なわけです。
塩麹の酵素の力を発揮するには漬け込んでから加熱
酵素が食材の栄養を分解するのに必要な条件は、60℃以下です。それ以下であれば、酵素の力で分解が進み、素材の栄養も旨味も引き出してくれます。
加えて、塩麹に漬けた食材の栄養を分解するのには時間がかかります。なので、加熱調理前に漬け込む必要があります。
これが鶏胸肉の塩麹漬けが流行っているポイントですね。
「味和久」では、食材にもよりますが、例えば手羽先であれば、塩麹に漬け込んで冷蔵庫で一晩寝かせます。
寝かせている間に酵素分解が進むので、そのあと加熱調理すれば、塩麹の効果を大きく得られるってことですね。
ちなみにお店で出している塩麹手羽先のレシピも公開しているので、よければご覧ください。
塩麹を加熱せずに食べると一番いい?
塩麹に漬け込んでから加熱すれば効果が得られることはわかったけど、酵素の働きが失われるなら生のままで食べるのが一番いいんじゃないかって思う方もいると思います。
食材にもよりますが、栄養の面でいうと、もしかしたらそれが一番いいかもしれません。
ただ、塩麹はあくまで調味料。漬け込むことで食材の旨味を引き出したり、化学調味料を抑えた上でより美味しい料理に仕上げたりすることが可能です。
塩麹だけを考えると生で食べることがいいと思いますが、料理全体の栄養バランスや、美味しく食べることを加味すると、料理の幅が広がって楽しいと思いますよ。
しっかり漬け込んでから加熱調理した料理は、塩麹を使わなかったときに比べて味も栄養も向上して満足できるはずです。
それでも塩麹の栄養を一番に考えると何かないの?って方には
それでもどうにかして塩麹の栄養を最大限取り入れたいって方に向けて、加熱しない塩麹の食べ方もご紹介します。
例えば非加熱の食べ方として、
- 塩麹と酢と油を混ぜてドレッシングに。サラダにかける。
- 塩麹とわさびと混ぜて、加熱した肉料理にディップして使う。
- 刺身の醤油の代わりに塩麹を使う。
などの楽しみ方があります。
その他にも、塩麹の使い方を研究してますので、よかったらこちらもご覧ください。
まとめ
今回は、塩麹を加熱するとどうなるのかについて解説しました。
加熱することで酵素の働きは失われますが、しっかりと漬け込んでから調理すれば効果は発揮されます。塩麹は料理を美味しくする調味料なので、加熱して使ったり、そのまま食べてみたりして、食べる人が喜んでくれる美味しさを目指しましょう。
味和久のHPでは、この他にも味和久(みわく)流の塩麹の作り方やお店同様の塩麹レシピを公開しているので、ぜひご覧ください!
また、北海道のすすきのに寄った際は、一度私の本気の塩麹料理を食べに来てください!
お店公式のInstagramもやっているので、ぜひ!
味和久のインスタを見てみる営業時間 | 17:00〜23:00 |
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定休日 | 水曜日 |
住所 | 北海道札幌市中央区 都ビル4F3丁目南3条西 |
電話番号 | 011-251-0380 |
メニュー | お品書き – すすきの居酒屋 旬菜鮮魚 味和久 |